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肝臓病教室とは
1990年頃私は医師になり10年を迎えていましたが、毎日の自分の診療に疑問を感じ始めていました。数多くの慢性肝疾患の患者に接しながら、患者さんには、毎回来るたびに採血をし、時々画像診断をし、その結果を手短に知らせ、投薬をするだけの繰り返しです。外来で患者さんに、一体私は何をしてきたのか、また何をなしうるのだろうかと考え始めたのです。

慢性疾患は、患者さんがおそらく一生その病気をかかえて生活する疾患です。従って、慢性疾患の医療には、患者さんに対する教育や病気に関する情報の提供は不可欠です。しかし、現実には、一人一人の患者さんに対して満足に説明できる時間を取れません。そこで、教室の形態でやってみてはどうだろうかと、都立広尾病院の外来で肝臓病教室を始めたのが1992年でした。

患者教育を考えるモデルとして、糖尿病、高血圧、高脂血症、喘息、腎炎など数ある慢性疾患の中においても慢性肝臓病は、おそらく最も難しく、奥深い、応用問題といえる疾患群です。慢性肝疾患では、経過中に発癌の問題がひかえており、患者は癌に対する不安にも悩まされます。癌が発症すれば病名告知や治療の選択の問題があり、進行すれば緩和医療も必要です。緩和医療では家族に対するケアも重要となります。

最近、C型肝炎ウイルスは特に頻繁に報道されるため、患者さんの間で不安感が増大しています。ウイルス感染症として家族や他人へ感染させないかとの不安もあり、感染予防の教育も必要です。インターフェロンや抗ウイルス剤など新薬が続々と開発され、情報が入り乱れています。食道静脈瘤や肝癌に対する治療も何通りも開発され、治療の選択に患者さんの参加が求められます。

このように患者さんが慢性肝臓病に対して必要とする情報は数限りなくあげられます。そして、その一つ一つは患者さんの不安をとるようにうまく伝えることの難しいものです。「患者教育は患者の権利であり医療者の義務でもある」と、ドナ・R・ファルボは述べていますが、日本では肝臓病は国民病とも言われるほど数多く200万人以上の人が患い、情報の提供を必要としています。

そのような患者の要望に応えるために、私は肝臓病教室を始めました。そして、自分が目指す医療にむけて実践してきたこと、その過程で考え気付いてきたことを、「肝臓病教室のすすめ」(メディカルレビュー社)にまとめました。それをきっかけに全国から60を超える施設が慶応義塾大学病院に見学に来てくださり、そしてネットワークも構築されつつあります。一年に一度の研究会も実施しています。

他施設で肝臓病教室を開いてもらうのに、少しでもそのハードルを低くしたいと、付録のCD-ROMに資料となるスライドやポスターの見本などを盛り込みましたが、それらは常に最新のものへの改訂が要求されます。アップデートしたものを、インターネットで配信したい。また、色々な施設が作ったものを出し合ってプールすれば、その中から気に入ったものを選択して使うこともできます。

そのようなシステム作りを目指してこのHPは作成されました。

肝臓病教室が全国に広まることを、それをモデルに、さまざまな慢性疾患でも教室が開かれるようになることを希望しています。そして、最終的に、それらが、慢性病を抱えながら生きる患者さんに、より不安の少ない生活を、そして質の高い生活をもたらすものとなることを祈願します。

加藤眞三
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