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2006年04月01日 「いまなんじ」?

 病気の発覚と神奈川での新生活が重なったことが、家族の心労を倍加させてしまいました。妻は、まだ誰も知り合いのいない公園で2歳の太郎を遊ばせながら、これから自分と子どもたちだけの長い長い時間が待っているのだろうかと、言い知れぬ不安に襲われたと語っていました。

 小学校に入ったばかりの桜は、元気に新しい環境に適応していきました。しかし、両親の神経がささくれ立っていますから、叱られる機会も多くなります。私と二人になった時、彼女の言ったことばが忘れられません。「最近お母ちゃん、笑わないね」。幼いなりにわが家に生じた異変を感じとっていたのです。

 そんななかで救いは太郎の存在です。何しろ2歳。何も分かるわけがないのでお気楽そのもの。『ノディ、いまなんじ』というアメリカ人が書いた時計つきの絵本を読んだことがきっかけで、異常に時間に関心をもつ子どもになっていました。街で時計を見つけると「いまなんじ?」と必ず聞きます。時間は時計ごとに異なる、と信じてもいたようです。デパートの時計売場に行った時など、つぎつぎに時計を指さして「いまなんじ、いまなんじ、あーいまなんじ?」とほとんど半狂乱のありさま。酒屋さんで秤をみつけても、「いまなんじ?」と尋ねます。

 ある晴れた日曜日のことです。団地の近くの大きな公園に家族で行きました。みるとアベックがいちゃいちゃしています。彼らは抱き合って口づけをかわすと、そのままごろごろと転がりはじめたのです。まだ着衣の乱れこそ生じていませんでしたが、口にするのもはばかれる行為に移行するのも時間の問題と思われました。

 そこへ太郎が駆け寄ります。男の腕時計を指差して「いまなんじ?」と尋ねたのです。アベックは一瞬虚をつかれて呆然とします。が、すぐに女の方はげらげらと笑いはじめました。男の方も苦笑いしながら、太郎に時間を教えてやっています。非常識だけど、悪い人たちではなさそうです。

 気の滅入る闘病の日々のなかで心から笑うことのできた貴重な瞬間でした。 

投稿者 kotani : 2006年04月01日 13:21
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コメント

桜ちゃんの、ポツリともらした言葉。
こうして、親の気持ちをそっくり掬い取り、幼い感情を
シンクロさせていくのでしょうね。
やはり、親は子供に育てられるのだわ。

太郎ちゃんの、喝采すべき「公共性喚起ホイッスル」!
こどもの力は素晴らしく楽しい。
大人の縮小ひな型ではなく、「こども」という
社会にかけがえない存在であることを、改めて感じます。

誰も攻撃せず、誰も蔑まない。
最上質の笑いは、魔法の薬になりますね。

え~、太郎ちゃん、両腕に時計してたりして・・。

休日は・・やはりリラックス系とともに?
(お尋ねしないと、もはや落ち着けなくなりました。)

投稿者 body&soulⅣさん : 2006年04月02日 08:39

 おはようございます。
 2~3歳のこどもは言葉も少しずつ増え、起きている間はとにかく五感を全開して、目を輝かせ天使のような笑顔で突進しますよね。
 自分の子供でなくても、病院の待合室でも電車の中でもそのようなお子さんに逢うと何か得した気分でうれしくなります。
 車椅子生活の義兄もいつも浮かない顔をしていますが孫や小さな子供に会うと、何ともいえないいい顔になります。
 先人の言葉どおりで、子供は宝だと本当に思います。

投稿者 行灯さん : 2006年04月02日 09:04

body&soulⅣさま。行灯さま。レスをありがとうございました。

 子どもはすばらしい。みているだけでこちらまで楽しくなるし、癒される。「子どもがおらんと笑うこともありゃせんが」というのが、私の亡くなった父の口癖でした。本当に子どもは宝だと思います。ところが昨今の少子化論議では子どもを人的資源・自分たちを将来養ってくれるための労働力としか考えていない。本当に子どもの価値が認められていない以上、子どもをもちたくないと考える若い人が増えるのも当然ではないでしょうか。

 PS いま入学式から帰ってきたところです。ですからフォーマルに「天才バカボン」(爆)。

投稿者 加齢御飯さん : 2006年04月02日 15:13



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