2010年第2回入院の五日目です。

昨日の午前中に主治医から、膀胱がんの中でも珍しい尿膜管がんに対する再発大腸がんの抗がん剤であるFOLFOX(フォルフォックス)の実験的投与に関する次のインフォームド・コンセント説明書に基づきの治療方針の説明を約15分間受けました。
化学療法:mFOLFOX6の説明
進行尿膜管癌に対して、これまで、TS1+CDDP、GEM+CDDP、M-VACなどの化学療法を行ってきました。御存知の如く、尿膜管癌に対しての標準化学療法はありません。幸運にも、GC療法で著功が得られましたが、再燃し、現在これまでの化学療法には反応しなくなっています(腫瘍マーカーの著明な上昇、消化器症状)。
一方近年尿膜管癌の病理、臨床像が大腸癌に類似しているという観点から、MDアンダーソン癌センターでは、5-FU、CDDP、GEM、LuecovorinによるphaseⅡトライアルがなされています。このうちこれまで頻回に使用して効果が認められなくなったCDDP、GEMの代わりに白金製剤としてOxaliplatinを加えるとFOLFOX(大腸癌の標準化学療法)になります。本邦でもFOLFOXで効果の得られた症例報告があります。
今回患者自身の強い希望もあり、患者に対するFOLFOX適否も可否を、当院倫理委員会にかけました。その結果、2007/2/17の倫理委員会で承認が得られました。
ただし、以下の問題はそのままです。
1 FOLFOXは尿膜管癌に適応なし
2 標準治療ではなく、いわゆるエビデンスは低い
3 大腸癌では安全性が確認されているが、尿膜管癌では確認されていない
4 これまで頻回の化学療法をしており、予測できない副作用発現の可能性がある
5 効果については、全く予測できない
現在病状は進行しており、上記問題の存在を認識して頂いた上で、FOLFOXを行うことといたします。
この状況を御理解していただき、署名をお願いします。
平成22年3月13日
★★★★病院
泌尿器科
◆◆医師
以上の説明を理解して署名するということは、患者には難しいことです。自分なりに次のようにインフォームド・コンセント説明書の内容を分析し、病状を再整理しました。
まずは、フォルフォックス6投与の件です。当初は、FOLFOX(フォルフォックス)4を予定していました。しかし、フォルフォックス4は古い療法で、治療を受けている病院では、フォルフォックス6という新しい療法しかしていないことから、後者を受けることになりました。
前記の説明書に書いてある「TS1+CDDP、GEM+CDDP、M-VAC」の投与歴は、次のとおりです。
TS1+CDDP(TS1+シスプラチン)
2007年4月~同年6月の3コースのTS1・シスプラチン
GEM+CDDP(ジェムザール(G)+シスプラチン(C))
2007年7月~2009年10月の14コースのGC療法
M-VAC
2009年10月~2010年1月の3コースのM-VAC療法
これらのうちGEM+CDDP(GC)療法により、腫瘍マーカーは2007年12月19日と2009年5月22日のブログエントリー(記事)に書いているように、2回正常値の範囲内になりました。
しかし、過去7か月の腫瘍マーカーのCA19-9及びCEAは次のとおり激増しています。
【CA19-9(正常値上限:37U/ml)】
2010年3月9日 16,542
2010年2月10日 3,581.5
2010年1月28日 4,059
2009年12月17日 1,997
2009年11月19日 2,233
2009年10月15日 1,349
2009年9月3日 351.7
【CEA(正常値上限:5.0ng/ml)】
2010年3月9日 124.7
2010年2月10日 97.3
2010年1月28日 29.2
2009年12月17日 22.0
2009年11月19日 29.0
2009年10月15日 40.2
M-VAC療法の薬効がないと分かったときには、腫瘍マーカーCA19-9は2倍に上昇しました。このため、 2010年2月2日のブログエントリー(記事)に書いたように、フォルフォックス投与の患者の強い希望を文書で主治医に伝えました。
抗がん剤投与を中止してからたったの2か月で腫瘍マーカーは4倍に上昇し、一桁数値が上がりました。腫瘍マーカーの上昇は、2010年3月13日のブログエントリー(記事)に書いたように尿膜管がんの胃への転移の可能性を示唆し、病状は悪化しています。
また、説明書に書いてある「MDアンダーソン癌センターでは、5-FU、CDDP、GEM、LuecovorinによるphaseⅡトライアルがなされています。」に関するブログエントリー(記事)は、次を御覧ください。
2007年8月20日 第4クールの効果
2008年6月6日 尿膜管がんの集学的治療管理:MDアンダーソンがんセンターの経験の抄録
2008年6月9日 米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター泌尿生殖器腫瘍学部アーリン・シーフカー=ラドトケ准教授の論文「尿膜管がん:外科手術及び化学療法の選択肢」
このほか、説明書に書いてある「本邦でもFOLFOXで効果の得られた症例報告があります。」に関するブログエントリー(記事)は、次を御覧ください。
2009年8月24日 FOLFOX4(オキサリプラチン、ロイコボリン、5-FU)を術前抗癌化学療法に用いた尿膜管癌の1例
最後に、主治医から泌尿器のがんに対して大腸がんの抗がん剤を投与した診療報酬請求書等の審査が通らなかった場合は、病院が負担をかぶり、患者には請求しないことになると口頭で教えてもらいました。このことは、患者にとってはかなり重要なことです。口頭でも契約は成立したと確信しています。
フォルフォックス6の尿膜管がんへの投与についての説明は、エビデンスは低い、効果については全く予測できないということなので、過度の期待はせず、これまで書いたブログエントリー(記事)の防御的悲観主義(2008年2月7日)と不安解消方法(2009年7月1日)により備えます。
残念ながら、膀胱がんの中でも珍しい尿膜管がんには標準療法はありません。このことを知り悔しく思い、少ない情報でお困りの同病患者、御家族、友人・恋人のお役に立つよう、尿膜管がん患者による情報発信として当ブログを2007年7月6日から始めました。
≪尿膜管がんの各種文献についての過去のブログエントリー(記事)リンク集≫
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2008/06/24 Yahoo!カテゴリ登録 癌 >闘病記
【膀胱がんウェブカフェ(仮訳)】
フォーリーカテーテルの経験と私が学んだもの:男性の見方(その1)
残念なことに、私は過去12か月間にフォーリー導尿カテーテル(訳注:米国 C. R. Bard 社製の尿管カテーテル; 膀胱内に留置できるよう先端に膨張可能なバルーン(風船)が付いている;1937年 Frederic Eugene Basil Foley(1891~1966;米国の泌尿器科医)が開発)の何回かの経験をしました。これらの経験を通して、私はすぐに、私自身が学ばなければならないくつかの重要なことが、口頭での説明、チラシ及びインターネットの検索にさえあったことを見つけ出しました。ここに、私はフォーリー導尿カテーテルに関する私の経験のいくつかを記事にします。
↓(詳しくは)
http://idomov4.netfarm.ne.jp/~bh001111/4644072b/i/newpage179.htm
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