2009年10月13日のブログエントリー(記事)には、次の画像の「患者と作る医学の教科書」プロジェクトチームの一員であり、当ブログの運営母体のMELIT(メリット)(医療情報リテラシー)主宰者である加藤眞三慶應義塾大学教授からの御提案を受けて、尿膜管がんの原稿案を作成すると書きました。

出版社: 日総研出版(2009/08) B5判280頁 定価2,800円(税込)
本日のブログエントリー(記事)には、
1.病気の概念
2.医療につながるきっかけとなった症状、初診時の様子
3.検査の内容
4.誤診されやすい病気など(注)
5.診断などの注意事項
のブログエントリー(記事)に引き続き「6.治療の内容――尿膜管がん治療の大まかな流れ」の原稿案を次のとおり書きます。ただし、4.誤診されやすい病気など(注)のブログエントリー(記事)は、後日、書きます。
6.治療の内容――尿膜管がん治療の大まかな流れ
尿膜管がんは非常に希なので、標準療法はない。
尿膜管がんの治療は、がんの広がりと顕微鏡による進行度及び病期検査によって、適切な治療法を組み合わせて行う。大きく分けて、局所治療である手術療法、全身療法である化学療法がある。
(1)手術療法
経尿道的膀胱腫瘍切除術、尿膜管及び隣接リンパ腺の完全切除並びに膀胱部分切除若しくは根治的膀胱切除術である。へそを取り除く臍(帯)切除術が行われることがある。
最小限の侵襲性外科手術の選択肢として、尿膜管及び両側骨盤リンパ節一括切除の腹腔鏡下膀胱部分切除が実施されることがある1)。
なお、尿膜管がん根治のための膀胱全摘除術は必須ではない2)。
引用・参考文献
1)Laparoscopic Partial Cystectomy with En Bloc Resection of the Urachus for Urachal Adenocarcinoma - Abstract PMID:17880303 、 http://melit.jp/voices/fight/2008/11/post_398.html
2)CiNii - 尿膜管癌15例の臨床的検討 根治のために膀胱全摘除術は必須か The Japanese Journal of Urology 94(4) pp.487-494 20030520
(2)化学療法
尿膜管がんは、膀胱がんの標準療法のM-VAC療法には反応しないことが多い。尿膜管がんは一般に腸の種類の悪性腺腫組織構造を示し、胎生発達期の腸残部又は尿膜管靭帯の変質形成のいずれかに由来すると信じられている3)ことから、大腸がんに使われる次の化学療法が実験的に行われている。
イリノテカン4)
FOLFOX4(オキサリプラチン、5-FU及びロイコボリン)5)
また、次の化学療法も実験的に行われている。
テガフール・ギメラシル・オテラシル配合剤(TS-1)6)
ジェムザール及びシスプラチン7)
TS-1及びシスプラチン8)
イホスファミド、5FU、エトポシド及びシスプラチン9)
シスプラチン、アドリアマイシン及びアンギオテンシンII、UFT10)
引用・参考文献
3)Multimodality Management of Urachal Carcinoma: The M. D. Anderson Cancer Center Experience The Journal of Urology
Volume 169, Issue 4, April 2003, Pages 1295-1298、 http://melit.jp/voices/fight/2008/06/post_255.html
4)Irinotecan as a New Agent for Urachal Cancer Urol Int 2006;76:281-282 (DOI: 10.1159/000091635)、 http://melit.jp/voices/fight/2008/10/post_380.html
5)FOLFOX4(オキサリプラチン, ロイコボリン, 5-FU)を術前抗癌化学療法に用いた尿膜管癌の1例 発行日:Aug-2008 出版者:泌尿器科紀要刊行会 誌名:泌尿器科紀要 巻:54 号:8 開始ページ:557 終了ページ:559、 http://melit.jp/voices/fight/2009/08/post_670.html 、 [ Case of urachal cancer treated by neoadjuvant chemotherapy with FOLFOX4(oxaliplatin, 5-FU and leukovolin)] PMID: 18788447、 http://melit.jp/voices/fight/2009/02/post_478.html
6)尿膜管遺残膿瘍を契機に発見された尿膜管癌の1例 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69 (2008) , No. 1 p.175-178
、 http://melit.jp/voices/fight/2008/11/post_404.html
7)Urachal carcinoma: surgical and chemotherapeutic options Expert Review of Anticancer Therapy, Volume 6, Number 12, December 2006 , pp. 1715-1721(7)、 http://melit.jp/voices/fight/2008/06/post_250.html、MD Anderson Cancer Center in Houston is conducting a clinical trial for adenocarcinoma/urachal bladder cancer: Phase II Trial of 5-Fluorouracil, Leucovorin, Gemcitabine, and Cisplatin for Adenocarcinomas of the Urothelial Tract and Urachal Remnant: Principal Investigator: Arlene Siefker-Radtke Protocol Number ID03-011
8)テガフール/ギメラシル/オテラシルカリウム(S‐1)+シスプラチン(CDDP)が奏功した転移性尿膜管癌の2例 発表資料:泌尿器科紀要 JST資料番号:F0649A 発行年:20070430 巻:53号:4頁:256
9)IFEP化学療法を中心とした,遠隔転移を有するぼうこう腺癌4例の治療成績 発表資料:日本泌尿器科学会雑誌 JST資料番号:Z0766A 発行年:20040315 巻:95 号:2頁:373 、 http://melit.jp/voices/fight/2009/08/post_675.html
10)Hinyokika Kiyo. 2004 Oct;50(10):713-6. [Urachal carcinoma treated with neoadjuvant intra-arterial chemotherapy: a case report] PMID: 15575224 [PubMed - indexed for MEDLINE]、http://melit.jp/voices/fight/2009/11/post_770.html
(3)放射線療法
放射線療法は、外科手術後又は外科手術が可能でない場合に行われる。しかし、放射線療法は、膀胱がんの一般的な種類のものよりも尿膜管がんに対しては効果的でないようである。
(4)進行、再発転移した尿膜管がんの治療
進行した尿膜管がんとは、すでに肺、骨、肝臓、脳などに転移が明らかな状態を言う。外科手術では治療や延命が期待できないので、化学療法と放射線療法を組み合わせて治療する。ただし、肺転移の場合、転移部位を部分的に切除することがある。
尿膜管がんの手術では、切除したときに断端やリンパ節にがん細胞があるか病理学的に詳細に検査をする。しかし、完全に切除できたとしても、後に再発したり、転移として発見されたりすることがある。
(5)健康保険適用の問題
尿膜管がんは症例が少ないことから、エビデンス(科学的根拠)に基づいた治療法はない。また、抗がん剤の健康保険適用の有無は、化学療法治療歴のある患者にとっては、治療薬に対する耐性のために第2選択薬による治療に切り替える必要がある場合、文字どおり死活問題である。
以上です。
患者と作る医学の教科書の尿膜管がんのほかの項目の原稿案は、後日のブログエントリー(記事)に書く予定です。
★膀胱がん(尿膜管がん)患者とその家族及び恋人・友人の皆様へ
もし、よろしければ、差し出がましいのですが、「患者と作る医学の教科書」の尿膜管がんの原稿案に対する皆様の闘病経験の情報や御意見を当ブログのコメントにお寄せくださいますようお願いします。

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2008/06/24 Yahoo!カテゴリ登録 癌 >闘病記
【膀胱がんウェブカフェ(仮訳)】
膀胱がん組織学―希少な腫瘍(その1)
尿膜管がん
尿膜管がんは、膀胱の外に影響を与える希少な腫瘍です。尿膜管がんは、一般的により若い患者、女性に発見されます。腫瘍は腺がん、扁平上皮細胞がん(SCC)又は肉腫(訳注:上皮組織以外の母組織から発生した固形悪性腫瘍)さえも含めて分類された組織から構成されているかもしれません。尿膜管がんは尿に粘液又は血を出すかもしれませんし、また、エックス線画像では点(斑)又は「点刻」として現れます。尿膜管がんは、しばしば予期されるより広く、より深く、治療しづらく、それらは、転移し、再発する傾向があります(8)。
↓(詳しくは)
http://idomov4.netfarm.ne.jp/~bh001111/4644072b/i/newpage51.htm
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