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2005年09月24日 ウイルス性慢性肝炎の治療の現状 (by片山医師)

大阪厚生年金病院の片山和宏先生より慢性肝炎の治療についての投稿を頂きました。
MELITのブログでは、このような形で色々な先生からの治療方針などをも投稿してもらって患者さんの参考にしてもらいたいと思っています。専門医間であっても、それぞれの医師によって治療方針は微妙にことなることを知って欲しいと思います。

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慢性ウイルス性肝炎の治療は、基本的には、ウイルスを排除もしくは量を減少させて、肝臓での炎症や線維化、ひいては発癌を抑制していくことが目的です。

「排除」と言い切ってしまわないのは、最近までウイルスが排除されたと考えていた症例にも実は微量のウイルスが残っていたことが分って来たからで、ウイルスが一定の量以上に増えないように押さえ込む免疫力がついた状態と言ってもいいかもしれませんが、一般にはウイルスを排除するという風に表現することが多いです。

医者から見れば、同じウイルス性慢性肝炎でもB型慢性肝炎とC型慢性肝炎では、治療のしやすさはかなり異なります。

C型慢性肝炎の治療

C型慢性肝炎の抗ウイルス治療の中心は、やはりインターフェロンで、単独もしくはリバビリンと併用していくことになります。ウイルスタイプやウイルス量で効果が大きく異なりますが、肝臓学会からも治療指針が出ており、治療法の選択に迷うことはあまりありません。

トピックス:
以前はGOT、GPTなど肝機能正常の場合はあまり、インターフェロン治療を施行しないほうがよいとされていましたが、経過中に肝機能が上昇してくる例が多いことや、GOT, GPTが正常でも肝臓の組織を検査すると炎症や線維化の見られる例が多いこと、また肝機能正常の症例と異常の症例では治療効果に差が無いことなどが指摘されるようになり、最近では治療したほうがいいのでは・・・という意見が出てきています。

また、血小板が低く、インターフェロンが難しいといわれている症例では、血小板以外の問題が無ければ、脾臓を摘出したり、脾臓の動脈を一部つめたりして血小板数を上げたり、瀉血をすると一時的ですが血小板数が増えるので、うまくインターフェロン導入に持ち込めたという報告も見られます。

またリバビリンによる貧血に対しては、海外ではエリスロポエチンという薬を併用すると軽減できることがわかっており、当院でも1例患者さんの希望もあり併用しています。(整形外科の手術前の貯血や慢性腎不全の貧血に対しては保険も利きますが、慢性肝炎の治療には保険は利きません)

B型慢性肝炎の治療

これに対し、B型慢性肝炎の抗ウイルス剤は、インターフェロン以外に内服薬のラミブジン、アデホビルがあり、もうすぐエンテカビルという内服薬も登場予定です。 

選択肢が多い上に、C型肝炎と同様治療指針が出ていますが、治療法選択には実際迷うことが多いものになっています。なぜならば、インターフェロンとラミブジンの使い分けが、はっきり決まっていないからです。

いずれもウイルス増殖を抑えることで肝臓の炎症を軽減し、結果として病変の進行も抑えます。ラミブジンは内服で副作用も少なく、治療導入しやすさはインターフェロンの比ではありません。が、中途半端で止めると肝機能の再燃が起こりやすく、また時にそれが重症化するので、基本的に治療を中止しにくいこと。

短期で中止する場合インターフェロンを併用するなどの工夫により中止後の急性増悪も軽減できるようですが、いずれにせよかなり厳重な注意を要します。かと言って長期投与では耐性株が出やすく、長期投与するほど効果が減弱すること。耐性株にはアデホビル追加投与がよく効くものの、治療中止はしにくくなり、一生服用させる可能性が高くなるため、特に若年者に対しては投与開始に慎重にならざるを得ません。

インターフェロンを主体に比較的短期治療で反応を見、必要なら治療を繰り返すといった方法は、治療の区切りができるので開始もしやすい反面、やはりインターフェロンの副作用などの問題はあります。いずれにも一長一短があるわけで、担当医の治療経験の影響が大きく、経験の少ない医師にとってはなかなか治療しづらい疾患といえます。

最近日本ではC型肝炎にしか使用できないペグインターフェロンを、欧米ではB型肝炎に1年間など長期に使用して、成績を向上させているようです。これらを見ると、現在B型慢性肝炎に対するインターフェロン治療は日本では6ヶ月が主となってきていますが、1年投与などの長期投与が望ましいのかもしれません。

投稿者 katos : 2005年09月24日 10:13
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コメント

加藤先生、というよりシンゾウ先生のほうがいいかな
お帰りなさい、そしてお疲れ様でした

確かにC型肝炎だけとっても専門医により、治療方針が微妙に違いますね
何が何でもIFNの方もいれば、様子見に様子見を重ねて、最後の手段のようにIFNを選択する方もいます
確かに辛い治療ですから(肉体的にも経済的にも)安易な投与は避けるべきとは思いますが、いつ開始するかは難しい判断なのでしょう
NET上の知り合いで、鬱が出ても投与を続けられ、投与中の記憶がない方も知っています
いまだに連絡取れないので、その後はわかりませんが・・・
IFNもリバビリン併用も、当然PEGも歴史が浅い治療法です
いまだ熱心な先生方が模索しながら治療しているのが現状かもしれませんね

投稿者 sasadonさん : 2005年09月24日 23:34

「C型肝炎と肝外疾患」で、シェーグレン症候群(リウマチ、甲状腺炎)、クリオグロブリン血症、等があることをどこかで読みました。私は、HCV-RNAが、毎月2倍に増えており、今年末には1000万になりそうです。一方、肝臓というより、免疫関係が崩れています。そこで、最新の「C型肝炎と肝外疾患」についての解説をしていただけないでしょうか。

投稿者 患者Aさん : 2005年11月02日 20:47

患者Aさん 了解しました。 肝外疾患についてまとめてみます。しばらくお待ちください。

ところで、C型肝炎はB型肝炎と異なり、ウイルス量と病気の状態や進展と関係ありません。ウイルス量が100Kコピー以上と多くても、肝機能には異常のない方が沢山いらっしゃいます。ウイルス量のことであまり心配なさらないように。

投稿者 しんぞうさん : 2005年11月03日 07:28



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