MELIT:患者のための医療情報リテラシー
ヘルプ サイトマップ 縮小 拡大
医療者からの声
melit.jp since 2005
・加藤眞三
(消化器内科)
ご意見をお聞かせ下さい
MELIT:患者のための医療情報リテラシー

« 2008年07月記事一覧 | トップ | 2009年01月記事一覧 »

  2008/12/25 気をつけたい 「内なる差別意識」 を

病気に差別はつきものだ。

いや、
病気による差別があってよいというのではなく、
誰もが差別意識を持っているということを
意識化することが必要だと言いたいのだ。

ハンセン病の患者さんが、
「自分たちは遺伝性の病気なんかではない」
というのを聞いて、ある遺伝性疾患をもつ人が
「あんな人にそんなことを言われてしまうのか」と
ショックをうけたという話を患者会の集まりで耳にした。

つまり、ハンセン病の人は遺伝子病に対して、
遺伝子病の人はハンセン病に対して差別意識を抱えていたことになる。

投稿者 katos : 16:02 | コメント (6) | トラックバック (0)
  2008/12/18 肝臓病患者のアセトアミノフェンの使い方

Q2. 肝疾患の進行度によりアセトアミノフェンの服用量、服用間隔はどれくらいですか?

 海外の文献では、状態の安定している肝硬変の肝疾患患者で、1回1gの1日4回投与、1日総量4gのアセトアミノフェンを2週間投与し、特に肝機能の悪化を認めなかったことが報告されています。

この際、薬物の血中濃度が半分になる時間、半減期は平均3.42時間(2.13~5.77時間)であり一般の人の2.04時間に比べて約70%延長していましたが、薬物が蓄積効果を認めるほどではありませんでした。

投稿者 katos : 10:31 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/12 肝障害のあるときの鎮痛剤

 Q1.肝疾患患者に痛みが発生した時に、体への負担の少ない薬はどの様なものがありますか? 肝疾患のステージ毎に鎮痛薬の処方優先順位について教えてください。

 肝疾患患者では、さらに薬剤性の肝障害が重なると重篤になりやすいため、鎮痛薬を選択する際にも薬剤性肝障害の発生の少ないものを優先して選びます。また、肝硬変患者では、血小板減少やプロトロンビン時間の延長による出血傾向があり、さらに門脈圧亢進による胃炎や胃潰瘍、食道静脈瘤などにより消化管出血もきたしやすいため、投与する薬剤も出血傾向や胃粘膜に対して悪い影響の少ないものを選択することが望ましいのです。

 アセトアミノフェンは中毒性肝障害をきたす薬剤として有名ですが、投薬量が過量であるとおこすというに量依存性であり、投薬量さえ守っていれば肝障害の発生は少ないのです。出血傾向や他の臓器への副作用なども少ないため、代償期肝硬変まで比較的安心して使用できます。

アセトアミノフェン以外では、ハイペンなどCOX-2阻害薬も、出血傾向・血小板抑制・胃粘膜障害などをきたしにくいため、肝障害患者でも比較的体に負担の少ない鎮痛薬です。

 

投稿者 katos : 06:59 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/08 肝臓病と痛み止め(鎮痛解熱剤)  

 薬による副作用として、皮膚症状についで多いのが肝機能障害です。肝機能障害はしばしば重篤となり肝不全から死に至る例もあり注意が必要です。わが国での薬剤性肝障害の原因薬剤として、発生件数では抗生剤と鎮痛薬が多い。

 このような点から、肝障害のある患者さんでは鎮痛薬を使用する際には充分な注意が必要となります。

 アセトアミノフェンは、市販されている薬剤の中で中毒性肝障害をおこす薬剤として知られる数少ない薬剤です。アセトアミノフェンの肝障害の特徴は、免疫反応の過剰によるアレルギー反応によるものではなく薬自体の肝毒性による中毒性であり、大量になると発生するという用量依存性があり、発生の個人差は比較的小さく、動物実験でも再現できる点にあります。

投稿者 katos : 10:44 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/08 氾濫する医療情報に振り回されないために;医療情報リテラシーのすすめ その4

情報源別の留保点
 情報の質の判断には、発信者がどのような目的で発信しているかを読むことが大事です。特に無料で視聴できる民放のテレビ、ラジオ、雑誌、そしてインターネットから得る情報では留意が必要です。以下に、インターネット上の情報の特徴を述べます。

行政機関からの情報は、「お上が言うことは正しい」と思える人は幸せですが、やはり、政策誘導的です。内容が解りにくいという特徴もあります。もともと、余り解ってほしくないのに情報を発信しているようさえ思えます。

学会から出している情報は学問的で中立かといえば、必ずしもそうではありません。学会もやはりその学会が繁栄するためには、より多くの患者さんがいたほうが良いという事情もあるからです。これから増えていく病気には若い医師も興味を示すし、もうすぐ解決されてしまう病気では将来廃れてしまう。かといって、治療法のない病気では医師としてやりがいがなさそうだなど、さまざまな事情によりその学会の将来がかかっているのです。また、学会はどうしても新しい治療や技術に飛びつきやすい傾向にあることは否めません。

投稿者 katos : 10:07 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/05 氾濫する医療情報に振り回されないために;医療情報リテラシーのすすめ その3

MELITでの健康食品の注意

2005年7月、私は、患者さんが情報を読む力をつけられることを目的とし、「患者のための医療情報リテラシー:(MELIT http://melit.jp/)」というホームページを立ち上げました。「情報リテラシー」のキーワード検索でたどり着けます。ぜひ一度訪れてください。、そこで、健康食品を使ってみる際に、次のような注意をしてほしいことを唱えています。

1.健康食品を医療者の立場から積極的に勧めることはない。
2.もし、知人などに勧められ使ってみたいのであれば、主治医にもそのことを知らせて欲しい。
3.本当の病気をもっているのであれば、必ず医療の監視の下に使用する。
4.同じ製品が出ているのであれば、信頼のおける会社のものを買うべきである。 
5.新しく出てきた民間薬は、少なくとも半年は様子を見る。
6.インターネット上の販売物はとりわけ注意を要する。


インターネットと単行本から得る医療情報 

 インターネット上の医療情報は、手軽で、無料で、新しい知識が豊富などの点で、患者さんにとって良い情報源であることは間違いありません。特に稀な病気に関する情報はパンフレットや単行本で得ることが難しいのに対して、インターネットでは検索により容易に情報にたどり着くことができます。そして、稀な病気の同病者が地域を越えて意見交換できるなどもインターネットならではの魅力です。

投稿者 katos : 17:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/04 氾濫する医療情報に振り回されないために;医療情報リテラシーのすすめ  その2

がんと健康食品

ダイエットのためだけではなく、がん患者に対してもインターネット上に健康食品の広告の手は伸びています。

サプリメントの中でも最もがんの発症予防の効果が期待されたビタミンEとβカロテンという組み合わせでさえ、発がんの抑制効果はなく、むしろ、サプリメントをとっていた群にがんの発症が多かったことが、フィンランドでの科学的な大規模試験により報告されており、健康食品によるがん予防は期待できないのが現状です。

米国の保健福祉省(NIH)のガイドラインでは、「がんや循環器疾患の予防のためにβカロテンのサプリメントを利用することに反対する」と述べています。

2007年に10年ぶりに改訂された世界がん研究基金の「がんを予防するための生活習慣10項目の勧告」では、「がんの予防のためにはサプリメントをとることは避けること。がんを予防するためにはサプリメントをとることより、多くの食品を含んだバランスの良い食事をとることが大切です。」と8番目に述べています。

投稿者 katos : 10:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2008/12/04 氾濫する医療情報に振り回されないために;医療情報リテラシーのすすめ  その1

しばらく記事をアップしていませんでした。色々な雑用が多くなり余裕を失ってきたせいもありますが、患者会などでの講演会の原稿をアップしていこうと思います。

以下は、本年5月17日に山形で開かれたリウマチ友の会の全国大会での講演原稿です。
少々長いので、分割してアップしていきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

氾濫する医療情報に振り回されないために;医療情報リテラシーのすすめ

はじめに

 慢性病は病気がなかなか治癒できないから慢性病であり、患者さんはその病気や障害を一生抱えて過ごさなければならないことも少なくありません。したがって、患者さんは自分自身の病気についてよく知り、病気と上手く付き合っていくためには、患者さんが質の良い医療情報をとり入れることは重要です。

 現代社会は情報化社会といわれるように、情報に接する機会は豊富です。しかし、氾濫する情報の中から自分の求めている質の良い情報にたどり着くことは反対に難しくなってきています。特に、インターネットの出現とその利用の拡大により、一般の人々が接することのできる情報の質と量は激変しました。

 医療情報は、かって専門家である医療者が独占し、患者さんにとって医療情報に接することは難しい状況にありましたが、今やインターネットの時代を迎えて、医療者と患者が得ることができる情報に本質的な差はなくなっています。すなわち、インターネットに接続できる環境にさえあれば、誰でもどこからでも最新の情報を得る機会をもっているのです
 
 このような社会的状況の変化に伴い、医療情報を収集し、読み、理解し、決断し、発信する能力が患者さんにも必要とされています。このような能力を情報リテラシーとよびますが、実際にその能力を身につけることは容易なことではありません。ここでは、患者さんにとって必要とされる医療情報リテラシーについて述べたいと思います。

減肥茶による肝障害

 私が医療情報リテラシーに関心を持つことになったきっかけは、2002年夏新聞の報道などにより全国的な社会問題にもなった減肥茶による急性肝不全発症事件です。
 
 

投稿者 katos : 09:58 | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年07月記事一覧 | トップ | 2009年01月記事一覧 »

ホーム サイトマップ 掲載メディア お問合せ ヘルプ ご支援のお願い
ログイン melit.jp 2005 All Rights Reserved ご利用上の注意 このサイトの理念 リンク・著作権 制作協力