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2008年12月12日 肝障害のあるときの鎮痛剤

 Q1.肝疾患患者に痛みが発生した時に、体への負担の少ない薬はどの様なものがありますか? 肝疾患のステージ毎に鎮痛薬の処方優先順位について教えてください。

 肝疾患患者では、さらに薬剤性の肝障害が重なると重篤になりやすいため、鎮痛薬を選択する際にも薬剤性肝障害の発生の少ないものを優先して選びます。また、肝硬変患者では、血小板減少やプロトロンビン時間の延長による出血傾向があり、さらに門脈圧亢進による胃炎や胃潰瘍、食道静脈瘤などにより消化管出血もきたしやすいため、投与する薬剤も出血傾向や胃粘膜に対して悪い影響の少ないものを選択することが望ましいのです。

 アセトアミノフェンは中毒性肝障害をきたす薬剤として有名ですが、投薬量が過量であるとおこすというに量依存性であり、投薬量さえ守っていれば肝障害の発生は少ないのです。出血傾向や他の臓器への副作用なども少ないため、代償期肝硬変まで比較的安心して使用できます。

アセトアミノフェン以外では、ハイペンなどCOX-2阻害薬も、出血傾向・血小板抑制・胃粘膜障害などをきたしにくいため、肝障害患者でも比較的体に負担の少ない鎮痛薬です。

 

アスピリンは少量の投与でも胃粘膜障害の発生頻度が高率であり、消化性潰瘍を起こし易いことに留意が必要です。また、血小板機能の抑制とともに、肝臓でのビタミンKの合成を阻害しプロトロンビン時間を延長させるため、出血傾向を助長しやすいため使用は控えることが望ましい。

インドメタシンなどインドール酢酸系では比較的肝障害の頻度が高いため肝障害患者では使用しない。

ロキソプロフェンなどのプロドラッグは胃腸障害を軽くするために、吸収されて肝臓での代謝により活性化されて効果を発現するが、肝機能障害のある患者では肝障害を起こしやすいため使用は注意が必要です。

 以上より、肝疾患患者での比較的軽度の疼痛に対してはアセトアミノフェンが第一選択になり、代償性肝硬変の時期まで比較的安全に使うことができます。


投稿者 katos : 2008年12月12日 06:59
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