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2007年06月03日 薬局・薬剤師への苦情-薬の入れ違い

 日本薬剤師会に寄せられた「平成18年度 薬局・薬剤師に対する苦情・意見について」なる記事が目についた。平成18年4月14日から平成19年1月25日に寄せられた内容の極々一部である。

H18.5.2.「薬を入れ間違えたのに対応が悪い」(患者・電話)

 1日3回のビタミン剤と1日1回の降圧剤(ノルバスク)を、薬袋に入れ間違えられた。ノルバスクの服用が1日3回なので、飲む前におかしいと気付き、薬局に連絡したが、対応が悪かった。対応した薬剤師はずっと無言だった。
[事務局対応]所属の県薬に連絡。

 薬袋に医師の指示した用法・用量を記載し、正確に薬を入れて患者に渡すまでが調剤で、上記の例は、正真正銘、明らかに調剤過誤である。服まないうちに患者が気付き、連絡をくれたということは、逆にいえば、事故を未然に防ぐことが出来たということで、感謝すべき事態で、薬剤師としては喜ばなければならない。このような事態に至れば、誠心誠意お詫びを申し上げるしか方法はない。にも関わらず何故この薬剤師は無言で対応したのであろうか。全く理解できない。沈黙していれば患者の苦情は通り過ぎてしまうと考えていたとすれば大間違いである。患者に実害があった場合、沈黙していたとしても何の解決にもならない。

 更に不思議なのは、この苦情を受けた日薬の対応である。『所属の県薬に連絡』としているが、連絡しただけでは何の解決策も示されなかったのではないか。危機管理のための研修会等に、強制的に出席させ、具体的な対処の仕方を勉強してもらうぐらいのことはやってもらわなければ困るということである。

H18.5.9.「薬の在庫がないとの理由で処方箋を拒否された」(患者・電話)

 普段行く薬局でない薬局に処方箋を持って行った。
 小児用の薬で「在庫がない」とのことだったので、「取り寄せてもらえますか?」と尋ねたら、「そのような対応はしていない」と、処方せん調剤を拒否された。
[事務局対応]所属の県薬に連絡

 薬剤師法第21条に『調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。』とするのが、いわゆる薬剤師の『調剤の求めに応ずる義務』を規定した条文である。

 ここでいう『正当な理由』とは、天変地異により薬剤師が薬局において調剤できない場合ということになっており、『処方薬の在庫がない』等というのは正当な理由に含まれていない。つまり、『在庫がない』という口実で、調剤を拒否した薬剤師は、薬剤師法第21条に違反したことになる。罰則規定がないとはいえ、薬剤師が自ら薬剤師法を無視するということは、薬剤師存在の根源をないがしろにする問題だといえる。

 近隣の調剤薬局に確認し、薬剤の借り入れの努力をする。病院から出された処方せんなら、当該病院からの借用を相談する。それが無理なら取引のある卸に依頼し、緊急で薬を入手する。これらのうちいずれかの方法を採れば、薬を手に入れることは出来るはずである。最も1回の調剤で40-50錠しか使用しないのに、500錠包装しか販売されていないとすれば、結局は死蔵品が増える。その後、何時処方されるか分からないから購入はしたくないという発想になるのであろうが、それは理由にならない。

 薬を探している間、当然、調剤することは出来ないが、一定の時間の予測が付けられた段階で、調剤可能時間を割り出し、患者にその点を説明して待ってもらい、後刻届けるということでも済むはずである。

 医療に携わっているという認識が欠けたとき、調剤薬局の薬剤師はただの商売人に成り下がってしまう。調剤過誤に対して何の対応も示さず貝になってしまう薬剤師も、法律に違反して尚反省のない薬剤師も、人の命にかかわる仕事をしているという認識か欠如しているとしかいいようがない。薬剤師教育が臨床を重視するため6年制になった現在、自覚のない薬剤師は前線から撤退せざるを得なくなるのではないか。

 等と、書いているうちに読売新聞[わたしの医見-後発品扱う薬局教えて;第47104号,2007.4.27.]なる投書が掲載された。

 『うつ病のため、精神科に通っています。今月21日の朝刊一面で、新薬と有効成分が同じだが値段が安い後発医薬品の普及が進んでいないという記事が掲載されていました。
 記事でも触れていますが、昨年度から処方せんに「後発品への変更可』との欄が追加され、普及が後押しされています。私も、抗うつ薬について「変更可」とされ、医師の署名ももらいました。それを持って2か所の薬局に行きましたが、「薬の在庫がない」といわれましたので、結局、値段の高い先発薬にしました。確かに、全ての薬を薬局が置いておくのは無理かもしれません。その時は、どこで買えるかを病院が教えて欲しいと思います』

 少なくとも薬を揃えるのは薬剤師の役割であり、患者が薬を手に入れるために薬局を回遊するなどということがあってはならない。ただ、処方薬は買えるとか買えないとかの問題とは別なところにあり、健康保険で給付されるものの一つである。更によく分からないのは『後発品への変更可』というのは、商品名で指定するのではなく、一般名で指定して、一般名が同一(成分が同一)であるなら薬局が所持しているどの銘柄の薬を選択してもよいということであり、広範な選択肢を持っているはずである。それが2軒の薬局で持っていないとすると、よほど後発品の少ない医薬品なのかあるいは後発品のない医薬品なのではないかと疑いたくなる。更に病院で取り扱い薬局を教えろという話もあるが、病院と同一資本の薬局(第二薬局)開設の弊害を排除するため、病院が特定の薬局に誘導することは禁止されている。その点は御理解いただきたいのである。


1)薬事新報,No.2468:385(2007)

投稿者 koizumih : 2007年06月03日 21:56
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コメント

処方薬局に対して障害者自立支援法に基づく自立支援医療で困った問題があります。自立支援医療の申請時に受診医療機関だけでなく薬局も記載し、その薬局以外は公費負担医療の対象外になります。
医療機関の選択は患者にも選択しやすいですが、その医療機関から近い処方薬局となると、はじめての場合、見当がつきません。そこで役所に聞くと、医療機関の住所から近い処方薬局一覧を探して、患者に選択させるのですが、住所しかわかりません。迷うと役所の人がここが大きいからと誘導まがいのことをされることもあります。

そして、いったん申請書類に申請した処方薬局を変更するとなると、役所に申請し直し、また書類の更新に数か月待ちとなります。その間は別の薬局に行っても公費負担がききません。このため、最初に選択した処方薬局の対応が悪くても、待ち時間が長いところでも、別の薬局に行くということができないのです。処方薬局での数十分待ちなどは、診察時間で待たされた後の、患者には辛いものです。書類に申請した薬局以外に、より近くて、すいている薬局を目にしてもそこに行くと公費負担以上の薬代がかかります。

最初に選択したら、後は患者に処方薬局の選択権がないに近いです。

実に不便な制度だと思います。

投稿者 優子さん : 2007年06月04日 10:38

『自立支援医療受給者証』の中に“選定された指定自立支援医療機関の名称”が記載される事になっているとのことですが、記載する意味は何なんでしょうね。障害者等が自立支援医療を受ける場合には、その都度、自立支援医療受給者証を指定自立支援医療機関に提示することになっているということで、受給者であることの証明のために持って行くのだとは思いますが、医療機関を固定しないと手続きが難しいということなんでしょうか。
最近、患者と医療機関を結びつけて、患者の自由な選択を阻害しようとする考え方がチラチラしていますが、医師と患者の間には相性というものがあり、特定の医療機関に縛り付けるのは如何なものかという立場からすると、何処の医療機関、何処の調剤薬局ででも受け入れ可能というのが理想ではないかと思うのですが。
何のために医療機関を固定するのか、その意味が良く解りません。

投稿者 古泉秀夫さん : 2007年06月07日 01:25



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