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先日、講演会で『医療の本質は、全て患者の有益性に繋がるかどうかが基本である』という話を聞いた。薬についていえば、患者の有益性を高めるためには、薬剤のQES(クエス)が重要だという話である。
『Q』は品質(Quality)
『E』は有効性(Effectiveness)
『S』は安全性(Safety)
の各略で、『QES:Quality,Effectiveness and Safety』ということのようである。
特に医療の中における薬剤師の役割は、今後、薬剤の『安全性』の確保に努めるべきであり、医薬品管理を通して、医薬品の適正使用に貢献することが重要であるという話であった。
しかし、どちらかといえばQESは製薬企業及び厚生労働省の守備範囲で、医療現場で仕事をする薬剤師の守備範囲だと大風呂敷を広げられても返事のしようがないというのが正直なところである。
医薬品の有効性については基礎実験段階から臨床治験を経て資料の収集をするのは製薬会社であり、その資料に基づいて、薬の有効性・安全性を評価し、承認するのは厚生労働省である。薬剤師が扱うのは、国の御墨付きを得た後で、市販された薬であって、第一、有効性や安全性の情報は、全て製薬企業が提供する情報に依拠している。更に市販後に有効性が向上するなどということはなく、むしろ増加するのは『負』の情報である。
また、製剤の安定性等についても、第一義的には製薬企業の管理の範疇であり、製造者でもない現場の薬剤師が、市販品を再製剤化することは有り得ない。確かに発売後の時間経過とともに、種々の雑誌等に報告される報文が、多くの情報を提供してくれるであろうが、発売当初は企業の提供する情報のみという心細い状況下にある。
ただし、薬剤師の仕事として、製剤の安定性についていえば、製薬企業が保証した条件を厳守することによって患者に高品質の薬を手渡し、可能な限り患者が安定した状況で薬を保管できるよう、保管条件等について伝達する責任は存在する。
更に薬の安全性についていえば、現に薬を服用する患者と日常的に接している訳で、早い段階で副作用に気付かなければならない立場にあるのは事実であり、現場の薬剤師が、『安全性』の確保に貢献することは当然のことであるいえる。可能な限り重篤な副作用の前駆症状を伝え、患者自身が副作用の予兆を補足する手助けをしなければならない。
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