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melit掲示板にエンテカビルの催奇形性に関する質問が寄せられていた。本来なら掲示板上に参加するのが筋であるが、調べるのに少し時間が掛かり過ぎたので、こっちに逃げることにした次第。従って調べた結果について、ここで書くことにする。
エンテカビル(entecavir hydrate:バラクルード錠)の添付文書に書かれている、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する際の注意は、『治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。』という記載である。更にこの注意事項記載の理由として『妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。生殖発生毒性試験において、ラットでは母動物及び胚・胎児に毒性が認められ、ウサギでは胚・胎児のみに毒性が認められた。ラット及びウサギの曝露量は、ヒト1mg投与時の曝露量のそれぞれ180倍及び883倍に相当する。』の記載がされている。
ところで男子の服薬と催奇形性の発現については、次の通りいわれている。
男性が服用した薬物の妊娠への影響については、症例報告も殆ど無く、一部の薬物を除外して、一般に使用する薬物については、殆ど心配はないとされている。射精される精子の数は億単位で、そのうち20%程度は元々形態的に異常が見られるとされている。もし薬物の影響を受けて精子障害性が見られたとしても、その精子は受精能力を失うか、受精してもその卵子は着床しないか又は妊娠早期に流産して消失すると考えられている。
また出生する可能性があるとしても、染色体異常か遺伝子レベルの異常で、形態的な異常(外表性奇形)は発生しないと考えられている。精子に対する薬物の影響が考えられる場合は、精子形成期間が約74日(±4-5日)なので、薬物の影響があるとすれば、受精前約3カ月以内に投与された薬物ということになる。従って、射精の直前であれば、既に精子となって存在しているため、受精1-2日前に服用した薬物の影響は考えられない。
1.薬物の影響を受けた精子は受精能力を失う
2.受精しても着床しない
3.妊娠早期に流産する
但し、entecavirは精巣に分布する。その意味では『男性がentecavirを服用していることにより催奇形性が発現する可能性は少ないと考えられるが、服用期間中精巣内に薬物が残存するため、精液を介して汚染されることが考えられるので、その点での注意は必要である』ということである。
しかし、この種の問題では、確信を持って安全だというには常に資料が少ない。最終責任はあくまで当事者による判断に委ねられる。
1)バラクルード錠添付文書,2007年8月改訂(第3版)
2)バラクルード錠0.5mgIF,2006.7.
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