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2008年03月30日 『はしか輸出国』

 またぞろ『はしか(麻疹ウイルス)』が流行り始めた。

 国立感染症研究所・感染症情報センターの報告によると、2008年に入って1月に秋田県から21件、兵庫県から4件、千葉県、三重県、島根県から各1件、2月に秋田県から4件、兵庫県から3件、熊本県から2件、北海道、千葉県から各1件、計39件の麻疹ウイルスの分離・検出がされているという。

 ところで海外において、日本人が感染源となった事例が、米国、カナダ、オーストラリア、スイス、台湾と相次いだため、『患者を輸出した』という国際的な非難を受けているという。昨年8月米国での野球大会に参加した小学生が、発症した事例では、小学生が搭乗した米国内便で、近くに座った米国人等の6名が感染した。

 米国、カナダ、韓国等はワクチンの2回接種により麻疹の集団発生の制圧に成功した。その他の国でも2010年までに麻疹を排除するという目標を掲げているが、我が国の制圧目標として厚生労働省が設定したのは2012年である。

 麻疹の制圧には、人口100万人あたり患者数が1人未満になることや2回のワクチン接種率がそれぞれ95%以上になることが必要だとされている。

 厚生労働省は2012年の麻疹排除(Elimination)を目標に、2007年8月わが国における「麻疹排除計画」を策定した。

 *2008年1月1日から麻疹と風疹は、それぞれ全数把握疾患に変更され、全ての医療機関において、麻疹と風疹を診断した場合、全例届け出ることになっており、麻疹については、可能な限り24時間以内に届け出ることとした。

 *2008年4月1日から5年間の期限付きで、麻疹と風疹の定期予防接種対象が、現在の第1期(1歳児)、第2期(小学校入学前年度の1年間にあたる児)に加え、第3期(中学1年生相当世代)、第4期(高校3年生相当世代)に拡大される。なお、接種の詳細については、居住地の市区町村に問い合わせることとされている。

 日本では子供に接種される予防ワクチンの数は、他の先進国と比較して明らかに少ないとされている。重大な後遺症が出る髄膜炎などの病気を未然に防ぐため高価な輸入ワクチンを接種させている保護者もいるといわれる。

 我が国の小児の定期接種ワクチンは、*ジフテリア、百日咳、破傷風の3種混合。*BCG。*ポリオ。*はしか、風疹の2種混合。*日本脳炎の8種類。米国では*B型肝炎ウイルス。*ロタウイルス。*b型ヘモフィルス・インフルエンザ菌(Hib=ヒブ)。*肺炎球菌。*インフルエンザウイルス。*おたふく風邪。*水疱瘡。*A型肝炎ウイルス等合計16種類に及ぶといわれる。

 輸入ワクチンの接種は、費用の自己負担は当然のこととして、国による後遺症に対する障害の補償もないということになるが、一方で脳障害などの重大な後遺症を惹起する細菌性髄膜炎による障害を考えれば、病気による後遺症の発生率の方が明らかに高率である。彼我の承認ワクチン数の違いについて厚生労働省は

(1)流行している疾病や患者数が異なる。
(2)ワクチンで予防できるものは全て予防するという米国の国情と数百万人に一人であっても、副作用があるなら健康体への接種に慎重になる日本の国情の違い。
(3)審査に掛かる人員が少ないため承認の進捗が遅れる。
等の理由を挙げるが、国情の違いについては、腰の引けている厚生労働省と、無闇に大騒ぎをするマスコミの責任ではないのか。ワクチンの副作用あるいは後遺症による障害は、感染による死亡率より明らかに低率のはずである。治療薬のないウイルス感染症や抗生物質に耐性のある細菌の場合、『予防治療』を国を挙げて推奨することが重要ではないか。


1)「はしか輸出国」ニッポン;読売新聞,第47428号,2008.3.17.
2)ワクチン格差WHO推奨も………日本では定期接種なし;産経新聞,1月30日10時36分配信

投稿者 koizumih : 2008年03月30日 23:00
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