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医療者からの声
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  2006/08/22 サムのこと

私がアバディーンという北の北の街で仕事をしていたとき、スタッフホームという寮に仮住まいをしていたのですが、その同僚の一人がサムでした。ナイジェリア出身の彼はとっても背が高くて真っ黒。一見、怖いような感じさえして、初めて会ったときには頭の中では有名なスパムである「ナイジェリアからの手紙」(http://ja.wikipedia.org/wiki/ナイジェリアの手紙)なんかが頭をよぎったりしたことを思い出します。

sam.jpg

彼は内科のコンサルタントですが、12,3年前にナイジェリアからイギリスに来た時にロンドン郊外の病院で「黒人」の医師であるというだけで、いろんな差別を受けたそうです。彼曰く「だから人の2倍働いた」。そんなある日、患者さんに「先生は医者っていう仕事が好きなんだねえ。見てると分かるよ」と言われ、それ以来、見てるひとは見てること、分かる人は分かること、だからここまでこれたと言っていました。

サムの生態を見ていると、「work hard, play hard」です。9時ー19時できっかりしっかり働いて、On-callでなければしっかり自分でナイジェリア料理を作り、少し書類を片付け、夜はR&Bのクラブに踊りに行きます。サムがコンサルタントとしてアバディーンの内科に来てから、みんながハッピーになったという評判です。その評判をききつけた私がサムにどうしてみんなハッピーになったんだかその秘訣を教えて、と頼んだら、サム、「それは自分自身がハッピーだから。」と。 「ドクターにはもっとコミュニケーションスキルが必要だとか言う人も多いけど、私はそうは思わない。ナースや患者さんとのコミュニケーションは努力してしようとするようなものじゃないよ」

我慢すること、頑張る事、努力すること、自分を犠牲にしても仕事に没頭する事 ...tc よりも、もっと大事な事はきっと単純明快に、自分がまずハッピーであること。自分の仕事が好きであること。そう、他のことは後からついてくる。それは当たり前のようなことで、実は私はなかなか日本の医師には許されていないと思うのです。遊んでいると「医者のくせに」ってたしなめられる、自分さえも、何か後ろめたくさえある。その裏には「医者はこうあるべき」という根拠のないモラルが潜んでいるのでしょう。それ以上に、もしかしたら医師の仕事を「好き」だと表現する事自体、おかしいと思う人もいるかもしれないー医師は患者と苦痛をともにするべきとーでも、私はサムから大事なことを学んだ気がします。

投稿者 ninotchka : 04:58 | コメント (8) | トラックバック (2)
  2006/08/19 医療系ブログ:続き

前回の医療系ブログのエントリは確かに、あぶさんの状態も頭にあったことはたしかで、ご本人からコメントを頂いたのでもっときちんと書いておきます、あぶさんありがとう。

よくコメントをくれる後輩が最近くれたメール(後輩ごめん)。 「結婚しました、これだけ長年携帯でしょっちゅう呼ばれる常勤の生活に疲れました」 「今後はバイトを週3回位」にする予定と。これは私の後輩に限ったことでなく、自分も含めて、5年、8年と我慢を重ねてやってきて、だんだん人間として、女性として、「普通の」生活をするのが難しい生活に嫌気がさしてくる。それで手術をすることをあきらめ、第一線から退いていくパターン。それで失う病院の「戦力」はかなりの数になると思う。

ロボットのようになってがんばるか、そうでなく「普通の」人間になるか、の究極の選択、のような状態というのは間違いなんだと思う。病院側がロボットのような医師を求める、ということはおかしいこと。

ロボットのようなスーパー医師になれないのは、人間らしい「普通の」生活を送りたいと要求するのは、ほんとうはドロップアウトではない、ってことが言いたい。働き過ぎの状態のブログを読む度に、それが「素晴らしい」ことではなく、「居心地が悪い」ようなそんな気持ち。そんなに働きすぎないでくださいって心配になる。

「人間らしい生活」を要求する医師が心地よく働ける、そんな環境になれば、ドロップアウトして失われていく戦力の数が減って、普通に働けるようになるんではないかと。もちろん、全体的なシステム的な変化も必要なんだろうけど。

これは私の印象なんだけど、日本は「自分を犠牲にして何かに捧げる」ということが美談になりやすい国だと思う。自分のことを要求する、ということがわがまま、ととられやすい国だと思う。病院や医局を「一身上の都合で」やめる時には、誰も本音や文句は言わないでやめていく。医師の働く環境が改善されるためにはもっと文句をいうひとが増えてもいいのではないかと、若い医師達が仕事の後、コンサートに行くので今日はこれで、と帰っていくのを責めるような雰囲気がなくなり、金曜日には週末のことを楽しそうに話す雰囲気があってもいい。入院している患者さんが、よい週末を!と担当医をreleaseするのが当たり前であってもいい。結局医師だって「人間」だと、医師のほうからもう患者さんに向かってもっと本音をcoming outしたっていいじゃないかって思ってる。

投稿者 ninotchka : 18:06 | コメント (6) | トラックバック (1)
  2006/08/18 医療系ブログ

私のブログ巡りの中には医療系ブログもたくさん含まれている、時々そうやって、他の医療系ブログ、特に他のドクターの記事を読むたびに、自分に気合いが入るような気になるから。というのも、みんなとっても忙しそう! 月に1−2回お休みがあればいい方?それでも病院からいつ呼ばれてもおかしくない状況でのお休み。忙しくて、寝る暇もなくて、食べる暇もなくて、それでも真剣に医療と向き合ってて、そんなブログを読むたびに身の引き締まる思い。


だから私がもし患者さんだったら、こんな医療系ブログを読むようになったら、思わず病院に行く度に、疲れた先生の顔をみる度に、昨日は当直で寝ていないのだろうか、って心配になっちゃうかもしれない。いや、ほんとうに、そんな風に当直明けでふらふらで働いているのなんて当たり前なんだけど、ほんとに当たり前? 患者さんとしては信じられないんじゃないかなあ。というか私もしばらく日本を離れていたせいで、ちょっともう信じられない感覚。

私にとって、そんなふらふらに疲れた先生に診てもらいたくないというのは正直なところ、こんな状況、普通じゃないって思うのって間違ってるのかなあ。医療の世界はまだ特別で、「働けば働くほどいいドクター」なんだけど、ほんとは違うんじゃないのかなあ。どこかから変わって欲しい。もし変わるのなら、それはそうやってただただ働いているドクター達の中からもう少し自分を犠牲にして働くことが美徳という感覚が減っていくことも、それを読む患者さんも自分を犠牲にして働いているドクターを崇拝する感覚が減っていくことも、必要なんじゃないだろうかって思ってる。こんなシビアな世界からどんどんドロップアウトしていくドクターが多い事だって現実だし、そういうドクターが決して怠け者でも、ほんとうの意味でのドロップアウトではないだろうと思う。

投稿者 ninotchka : 07:23 | コメント (3) | トラックバック (1)
  2006/08/18 サマープディング

まったく医療の話から逸脱しつつありますが前回のトーストの記事で思い出したこと

こちらではパンを使った料理が多いですが、パンを使ったデザートまであります。例えば、ブレッド&バタープディングは余ったパンがデザートになるすごい技です。しかも思ったよりもおいしい、っていうより私はファンです。イギリスの食べ物はまずくて有名ですが、朝ご飯とデザートはおいしいのですよ。

夏の風物詩?サマープディング。夏になるとイチゴだけでなく、ラズベリー、グズベリー、ブルーベリーなどのベリーが見事にいっぱい採れるのですが(野生で生えている)そのまま食べるだけでは余ってしまった時などにはプディングとしてデザートにします。作ってみたのでもし興味がある方はどうぞ。適当なのですが(笑)、好みで他の果物を入れたり、お砂糖を加えたり、干しぶどうパンを使ってみたりなど。


(クリックで拡大)

投稿者 ninotchka : 06:54 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2006/08/15 イギリスの病院の朝ご飯

働き始めて印象深かったこと - イギリスの病院の朝ご飯。

ポリッジという、まあ、お粥のようなもの

por

ミューズリー、私も自分の朝ご飯はミューズリーに'たっぷり豆乳'です

museli

これにミルクティーとかコーヒーなんですが
困ったのが...
目を奪われてしまう...

こんがり焼けたトースト


toast

これには参りました。朝8時の回診時はちょうど患者さんの朝ご飯で、病室を訪ねるとこんがり焼けたトーストの匂い。そしてちょうどその薄いトーストにバターとマーマレードを均一に塗り、サクサクッという音とともに食べているところ、なんです。

私も毎日きちんと朝ご飯を食べて仕事に行っているものの、朝の病室のこの香ばしい香りと、思わず見とれてしまう...。大事なポイントはですね、この[トーストの厚さ]+[きちんと両面こんがり焼けている具合]+[少し固めのマーマレード]の組み合わせで、どれが足りなくても成り立たない。日本人がきちんと炊けたごはんにこだわるのと同じ感覚なのでしょうが、日本のトーストは厚すぎる、柔らかすぎる、ジャムがおいしくない...etcとイギリス人から文句がでるのは必須の大事な朝ご飯。

日本の病院の朝ご飯ってどんなのだったかなあ。

投稿者 ninotchka : 02:22 | コメント (3) | トラックバック (0)
  2006/08/14 医者が太っているのは問題か

アメリカのMedscapeの特集記事から
医者が太っているのは問題か

アメリカらしい話題ですよね。4人の医師がそれぞれここで自分の意見をのべています。

A) 医者は体重だけでなく、他の点でも(e.g.タバコを吸わない)お手本になるべく努力すべき。そうでなければ、医師が患者に生活習慣病の指導なんてできるわけないじゃない?

B) 太っているとうことがいけないことである、というのは過剰な偏見に結びつきやすい。特に太っているひとは怠け者、自己管理ができていない、病気になっても仕方がないといった偏見が医療者の間でもささやかれ、患者が診察室で、膝が痛いといえば痩せなさい、血圧が高いといえば痩せなさいの一言で片付けられてしまうことも多い。痩せている医者が太っている医者よりもいい医者であることはなかろう。

C) 自ら40歳を過ぎたあたりから体重が増え始めてしまった経験。患者さんからも医者の無養生だと笑われ、焦り、ストレスにさえ感じられる。結局人それぞれなわけだから「医者だから」という特別視は必要ないのではないか

D) 最近医療の質が悪くなっていると感じる。書類の数だけ増え、必要なことをする時間が無くなっている。そして結局生活指導などの予防医学に割り当てる時間が削られている。それなのに、自分と患者のためにも医者は一日1時間は運動をすること、という義務さえ加えようとするのか? 太っている医者は患者に「生活習慣を変える事は難しい事だ」という悪い印象を与えるどころか、太っている医者が患者の肥満による問題を治療することは難しいだろう、とさえ言われるけれど、私は太っている医者を責めることが答えだとは思えない。

ーーーー

私がこちらで一緒に働いていた上司はかなりの肥満でした。多分BMIで軽く40は超えているのではないかと思います。この上司、もう飛行機のエコノミーには乗れないし、コンサートや映画などで席に長時間座っているのも無理になった、と嘆いていました。回診の時にも5分も歩くと彼のシャツの背中に汗のシミが。ある日、隣で回診をしていたもう一人のコンサルタント(アメリカ出身)が彼の背後で「How disgusting...!」とペッと吐き捨てるように小さな声で私の上司を罵倒したのをきいてしまったのです。

「太っている」ということでそれだけでひとを責めるというのは間違いだと思います。そうであれば、「医者なのに太っているのはよくない」というのは確かに短絡的であるかもしれませんね。

投稿者 ninotchka : 20:11 | コメント (4) | トラックバック (1)
  2006/08/13 スメア検査にひっかかる

最近GPから「スメア検査の時期がきましたのでGPまで」、という手紙をもらい行ってきました。この点、GPはとっても便利。家の近くの歩いてすぐのところだし、産婦人科に行かなくてもナースがスメア検査をしてくれるので、待たなくても、あの産婦人科のいや〜な診察台にあがらなくても、フレンドリーなおばちゃんナースがおしゃべりをしながら3分ですみます。このナースが説明してくれるには、綿棒は最近廃止になってブラシに変わったとのこと。たしかに3年前は綿棒だったかも。

pap1a.jpg

この小さなブラシ、おまけに検査液体のなかでシャカシャカととれたサンプルを洗うようになっていて、これになってからかなり正確な診断ができるようになったとのこと。そうそう、3年ごと、なんです。ちゃんとこうやってリマインダーを送ってくれるシステムもいいですね。


2、3週間後、忘れた頃に検査結果が届きました。結果はポジティブ。がーん。これもブラシに変わった威力かもしれません。

このとき、私の頭に浮かんできたのは10年(以上?)前にもなる、医師国家試験の勉強をしていた時代。3、4人のグループでディスカッションしながら勉強するのがなんとなく正しいやり方で。そんなとき、何の根拠もなく、将来、自分がこの病気になったら、なんて話をするわけです。ひとりの友人が私に向かって一言。
「ニノはさ〜なんかお金持ちと結婚して子宮の病気になりそうなかんじ〜」
そんなくだらないことを今、思い出すのもなんですが、最初の予言が大はずれだった代わり、二番目の友人の予言が当たったのではないかと(笑)。

えっとあまり脅かしてもいけないのですが、このスメア検査。ポジティブにもいろんな段階があって、私の場合は治療は今必要な段階ではなく「6ヶ月後再検査」の段階とのこと。一緒に「スメアテストがポジティブだった方へ」とピンクのパンフレットも入っていたので、一安心、そう、ご安心ください。

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日本でも3年ごとにスメア検査はすすめられているのかしら? もしそうだとしたら是非定期的な検査を全ての女性におすすめしておきます。産婦人科って敷居が高いし、若い女性の場合は「え〜やだな〜」「痛そ〜」「めんど〜くさい」と敬遠しがちだと思いますが、それってとっても子供っぽい。
ウーマンエキサイトの特集である

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とかよりも、大人の女の基本は自分の体をまずしっかり管理することから、だと私からの提案です。


投稿者 ninotchka : 22:57 | コメント (1) | トラックバック (0)
  2006/08/12 私にとっての未開の土地ーアフリカ大陸へ

無事1年間のODTS (Overseas Doctors Training Scheme) 研修が終わり、イギリス医師ライセンスであるGMC(General Medical Council)のFull registrationがもらえました(これまではLimited)。その後、言い訳ばかりのろのろとしていたせいでpaperの方が終わっていなかったので、それを終わらせたところでもあります。さて…。今後の身のフリを考えるのは考えなくてはいけないのですが、この機会にもう2度とできないかもしれないこと。長期の旅行。私にとっての未開の土地ーアフリカ大陸へ行く計画を今たてていますー日本に帰る前にね。

同僚のなかにはそういった長期の’休暇’は履歴書にマイナスになるんでは、と心配してくれる人もいて、お世話になった上司に相談してみました。私のこの上司は、一直線に’できるだけ早く’コンサルタントになったり教授になったり他のひとより何年か早く自分の目標にたどりついたとしても、そのあと25年コンサルタントの仕事をするのと30年コンサルタントの仕事をするのに大差はないじゃないかと。それより出来るときに寄り道しておきなさいと、のアドバイスをくれました。そうか。もう寄り道しっぱなしのようになってますが、いいことにしてしまおう。

Dalai Lamaの言葉、生きるための知恵の教えのなかで、こんな一説があるそうです。
Once a year, go somewhere you've never been before
一年に一回は、いままで行った事のないところへ行きなさい。
その理由は…、行ってみると分かる、のかもしれませんね。

アフリカは私にとってまだ足を踏み入れた事のない大陸です。東アフリカ(ケニヤ、タンザニア、ウガンダ)あたりを考えています。まず、やらなくてはいけないことはワクチン接種なんですよ。こちらではTravel Clinicが充実していて、旅行を決めたら旅行専門ナースに会いにいきます。そうすると、まず必要なワクチンの種類を列挙してくれるわけです。

私はA型肝炎、B型肝炎のほうがすべて有効期限内だったのでこの1ヶ月の間にうったワクチンは、黄熱、チフス、ジフテリアと破傷風とポリオ3週混合、狂犬病(3回シリーズ)で、黄熱のほうはきちんとワクチン接種証明書が発行され、アフリカの入国の際に求められる場合が多いのだそうです(写真)。

vaccination.jpg

最近はワクチンの値段が個人負担になったようで、黄熱ワクチン7000円、3種混合とチフス3000円、狂犬病7000円が3回で21000円、と全部合わせると高額に。うーん。これでは若い学生さん等は只でもワクチン接種なんかに行きたがらないのに、ますます、足が遠のきそうで心配です。

次はマラリア対策。1週間に1回飲めばいいというメフロキン(lariam)をすすめられ、購入。はじめてなので副作用の幻覚や悪夢を見る人がいるということで1〜2週間のお試しコースを含めてという念のいれよう。一錠600円程度。日本では最近認可されたので、(ようやっと)購入できるようになったようです。

そして、緊急薬(写真)。

emergency.jpg

パラセタモール(パナドール)、イブプロフェン、ロペラミド(下痢止め)、抗生物質はCiprofloxacinをチョイスしました。これに下痢になったときの電解質を補給するパウダー(ポカリスエットの粉のようなもの?)とミネラルウオーターが購入できなかった時に使用する水消毒専用のイソジン液(クロールのような役割)ももっていきます。

夫の夢はケニヤのキリマンジャロ登山。ただあまりに観光地化されつつあるという現実もあり今回キリマンジャロに登るかどうかは分かりませんが、山へ出かける事は間違いなく登山用品も用意しなくてはいけません。特に暑さと寒さの気温差を考えると悩む。で、こんな感じ(写真)。

traveltips

ロンドンのおおがかりなテロ未遂があったので、でかけるのも心配になるところですが、準備をすすめているところ。時間があってもお金がない現在の予算は全て込み(食事宿泊等)の50ドル/日/一人。いつか私もドクター典型のお金はあっても時間がないブルジョア旅行をする日がくるのでしょうか?

投稿者 ninotchka : 05:59 | コメント (6) | トラックバック (0)
  2006/08/12 足底筋膜炎の悩み

家族の話を少し。
私の家には外人が一人住んでいますが、この外人、私の目の前にごろんっとうつぶせに寝て足をばたばたさせるのが得意です。その意味は

planter.jpg
プリーズ マッサージ ミー。

足裏ツボマッサージというのはどうやら癖になるのかどうか分かりませんが、とてもいい気持ちらしいですね。私自身は自分の足の裏はNo Man's Land(誰にも触らせない)なのでちっとも理解できません。ちなみにうちの家具のなかで一番高級(?)なのがこのTatami BedでFuton Companyというところが作っている、畳を使ってある特別なベッドです。イギリスに来てどうしても柔らかいベッドに妥協できなかった...。

一時期はこれこそリフレクソロジーだと思い、この外人のいろんなところを押して「痛い!」と叫ぶポイントを見つけると「あなたの腎臓が悪い」とか「それは脾臓かもしれない」とか結構楽しんだのですが、腎臓や脾臓が悪い兆候もあまりなく、だんだん勢いが薄れました(飽きっぽい性格もあり)。

あまりに親指が疲れるのでBody shopでこのマッサージ棒を買い求め、だいぶ楽になりました。優れものです。

fascitis.jpg


ところで、最近、はた、と気がついたのです。もしかして、これは足の裏のかなり厚い筋膜の骨への付着部で炎症を起こす、足底筋膜炎ではないだろうか? 専門である整形外科の範疇なのに、あまりにリフレクソロジーに夢中になっていたので思いもよりませんでしたがそうかもしれない、と。治療としては局所注射とかストレッチとか言われていますが、中にはrelease法で手術的にこの付着部をはがすという方法もあります。農業を営んでいる若い男性の手術をこちらの病院でアシストしたことがあるのですが、そのあと長期フォローができずに終わってしまいました。できればうちの外人をよく観察していい治療法を見つけたいものです(マッサージから解放されるためにも!)

投稿者 ninotchka : 01:00 | コメント (1) | トラックバック (0)
  2006/08/10 整形外科への正しい患者紹介の仕方(イギリス流)

こちらではA&E(Accident and Emergency 救急外来)は救命救急医がすべて患者の初診受け入れをするので、整形外科外傷班で働いているとA&Eからの紹介がかなりの数にのぼります エディンバラで働いていたときにはスコットランド最大のA&Eだったので、A&Eは大忙し。研修医SHOはon-callになるとポケベルで呼ばれるのはほとんどの場合A&Eからです。この救急科からの患者の紹介。理論的には整形外科疾患であればスムースに受け渡しが進みべきなのですが…これがまた、いろんな問題が勃発します。

1.高齢者の大腿骨頸部骨折
一日に4-6人、年間には2000例という数。あまりに多いのでクリニカルパスができていて、救急外来にてレントゲンはもちろんのことECGや血液検査、全身状態のチェックをして全ての入院準備を済ませて、整形外科病棟へという決まりができあがっていました。あまりに救急外来が忙しいと救命救急医や救命ナースはこのECGや血液検査、全身状態のチェックをすっ飛ばして整形外科をcallすることもあり。呼ばれた私のような整形外科医がさて、いつもどうり患者さんを病棟へ、と思うと入院の準備が出来ていない事に気づき思わず「むっ またか」。救命側にパスどうりwork-upをしてください、と文句をいうと「整形外科の患者でしょ」と返され険悪なムードに。

2.高齢者の恥座骨骨折
高齢者の大腿骨頸部骨折と最も間違われやすく、転んだ後立てなく/歩けなくなった高齢者が運ばれてきます(以前こちらに書きました)。レントゲンで恥座骨骨折を確認し、ちょっとほっとするのもつかの間、さてこの立てない/歩けないお年寄りをどうしよう。恥座骨骨折だけであれば保存的治療で手術になることはないのですが、歩けるようになるまでしばらくかかるわけです。手術を必要としない患者さんを入院させると、その日救急担当のコンサルタントが「またか、むっ」とします。しかも大抵の場合、こういった高齢者は転ぶ前に何かしら問題があることが多く(例えば、狭心症、尿路感染、上気道感染症)その治療がメインになってくることも。で、整形外科としては内科(老人科)に紹介するよう救命科にリクエストしますが「骨折があるなら整形外科の患者でしょ」と返され険悪なムードに。

3.外傷のない四肢の痛み
手が痛い、足が痛いと救急にやってくる患者さんの場合、外傷(骨折、打撲、捻挫)だけでなく色んな原因があります。通風発作は典型的な例で、細菌性関節炎疑いで整形外科に紹介されてきます。蜂カ織炎という皮膚の下の細菌感染などもよくある紹介例です。こういった患者さんの入院数が一日何人にも及ぶとその日救急担当のコンサルタント、または患者さんの入院時診察を含めてfull work-upをしなくてはいけないJHO(研修医の最も下っ端)が「またか、むっ」とします。

そんなわけでA&Eからの入院を決定する役割であるSHOとしては救急医とJHOとコンサルタントの間に挟まれてストレスなわけです。とうとう *整形外科への正しい患者紹介の仕方* をどうしても押し付けるべく救命救急科に向けてこんな脅迫状を送りました。ちょうどクリスマスの時期(冬は特に忙しい)だったので
内容はこんな感じ。

ーーーーーー訳)ーーーーーーー
ルドルフを誘拐した

もし(生きている)彼にもう一度会いたかったら以下の条件をのむこと

1)全ての大腿骨頸部骨折の患者は全ての入院準備をしてから整形外科に紹介する事(ただ知らせただけ、これからやります、なんていうのももってのほか)
2)恥骨座骨骨折は整形外科に紹介するべからず
3)ボルトやナット等の金属で治すことができない症例には興味ない

言う事をきかないと彼が痛いめに合う。サンタなどいないのだから、サンタに期待しても無駄だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

*ご存知のとうりルドルフはサンタのソリのトナカイですね。

いや、ほんと笑えません!

投稿者 ninotchka : 16:45 | コメント (0) | トラックバック (0)

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