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医療者からの声
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  2007/04/21 ナビ付きで手術

毎週木曜日に研究日を頂いて、北海道大学整形外科に勉強にいくことになりました。昨日は初日。張り切っていそいそと出かけてきましたが、北大は大きくて中でしっかり迷いました。

昨日見れた手術はナビ付きの膝人工関節置換術
(ナビ=ナビゲーションシステム)

先駆けはやはり日本とどこか似ているところがあるドイツ。ドイツではナビ付きの手術はどんどん増えていて、それにより保険点数も変わっているのだそうです。

私は実際ナビ付きの手術を見たのは初めてで、もっとしゃべったり光ったりとか、もっといろんなロボットの手が伸びて来たり骨の中を探ってみたりするのかと思いましたが、術前のCTを元にして赤外線でのたくさんのガイド点を使った分かりやすいシステムでした。

そのナビを使う事によって手術時間は使わない手術よりも20−30分長くなるのですが、ナビによって客観的なデータが得られることによって手術が(骨切りが)うまくいったかどうか確かめられることもできるし、靭帯のバランスまで確かめる事ができるし、膝のお皿にかかる圧力まで測定できるしetc、とても興味深い手術でした。

ナビの機械は結構大きくて、実際中のソフトを正確に動かして行くのも大変そうですが、ナビ好きの私としては、何とか応用できないものかと電車の中で考えていました。とても大事な手術の前の「計画」の段階で私はいままでチョキチョキと紙をはさみで切りながらレントゲン(平面)を見ながらやっていたものを、できれば3次元でCTという断層写真を使いながらやれるのではないかと、今、業者さんや北大の先生と相談しています。

* * *

ナビといえば…話は変わりますが...最近、私、車を買いました。
新車に純正ナビをつけるかどうか、の話になって、もちろんナビをつけたいよねって話をしていて、そしたらね、それだけで30万アップと言われたのですよ!ナビは付けたい、でも30万は払いたくないのジレンマの戦い後、結局純正ナビはあきらめて、後付けにすることにしたんです。

それからオートバックスに行ったり、ネットで調べたりして、ようやく「これだ!」という素敵なナビを見つけたのでここで(医療とは関係ないけど)ご紹介。ガーミン ヌヴィ360 Garmin nuvi360 という小型の海外でも歩いていても使えるナビです。(ガーミンは登山のナビとかにも使われているナビでは有名なメーカーです)

しかもこれなら5〜6万で手に入ります。30万も払う事ないですよね、ほんと。

ドイツのナビ付き手術をする整形外科医は、手術中でもナビがあると、車のナビと一緒で、何か困った時に助かるんだって話していました。ロボットが手術をする時代は来ないかもしれませんが、ナビの性能はこれからもっともっとよくなっていくはずですね。楽しみです。

投稿者 ninotchka : 09:50 | コメント (2) | トラックバック (0)
  2007/04/11 頸椎椎間板ヘルニア

北海道脊椎疾患研究会というものに参加してきました。北海道大学の臨床大講堂。煩雑な医学部の独特な雰囲気が懐かしかったですが、北大はでっかいですねー。

そこで今日ご紹介したいのは一般演題に出されていた
「頸椎症性頚随症の整形外科医の一例」

そして本人そのひとが演題発表されていて私はひそかにひとりで感銘を受けてました。

要するに、この整形外科医である先生は6年前に頚の痛みと右おやゆびのシビレ感で発症し、頸椎MRIでC3-4, 5-6の頸椎椎間板ヘルニアがあり、増悪、緩解を繰り返しながら仕事をそのまま続けてらっしゃったらしいのですが、反射の亢進や机の上のコインのつまみヒックリ返す動作がしづらい、字が速く書けない、歩くと両足のふくらはぎに重たい感じ、右手のシビレなどの症状が次々に現れ、特に仕事上手術で患者さんを縫合しなければいけないときに使う持針器というものをうまく操作できなくなって困られたのだそうです。

この先生の状態は一般的に脊椎の専門家の間で言われている手術適応の範疇にはいらない「手術は必要ない程度に悪い」状態に分類されているわけですが、多分いろんな迷いはあったことでしょうが、結局手術を受けられ、手指のシビレは残っているものの、その他の症状は改善されたということです。

「いつ、どのタイミングで」「手術適応をどうするのか」という話でよいディスカッションを拝聴することもできました。結局、患者さんには「手術は必要ない」と言っていてもほんとに「必要ない」といえるのかどうか。

頸椎ヘルニアについてはウエブでググルとまず2chが出て来て、

のような「頸椎椎間板ヘルニア」に対する不安、「手術」に対する不安、いろんな悩みの数々です。とっても読み切れませんがほんとうにたくさんのひとが悩んでいてその悩みを整形外科医に相談することが出来ずにこういう2chのようなサイトで相談しているんですよね。ちょうど客観性と主観性の間にたったようなある整形外科医の1例はほんとに貴重でこういった悩んでいる患者さんに一筋の希望を与えてくれるのではないかと思いました。。。

投稿者 ninotchka : 12:13 | コメント (2) | トラックバック (0)
  2007/03/28 湯たんぽの将軍

先週末は買い物に札幌まででかけてきました。
車で日勝峠を超えて、札幌で一泊。
私はホテルよりも旅館好きなので、中村屋旅館という老舗の、植物園前という立地最高の、そしてお安いところに泊まってきましたよ。


帰りはぐるっと南に下り、苫小牧から海岸沿いの道を走ってきました。
お昼ご飯のときなど、北海道に慣れてきましたか?と聞かるので、早く北海道一周しとかないとね!とはりきっています。


帯広のHomacにだんだん慣れて来たものの、東京に住んでいた頃からの、、やはり無印とか、東急ハンズとかにいく癖がまだ抜けていません。
それで、東急ハンズで見つけたおすすめグッズを紹介します。

まあ...
腰痛に使う湯たんぽなんですけどね...


職業柄、腰痛はつきもの。
たくさんの病院のスタッフは、実は私も、腰痛持ちです。夜ベッドにもぐってから腰からお尻にかけての何とも言えない痛みを少しやわらげて明日に備えてしっかり良眠と願いたいところですよね。前からそういった痛みには私は湯たんぽを愛用していました。これにはちゃんと裏付けがあってBBCニュースで痛みと暖めること(熱)の関係を調べた研究の結果を発表していたのですよ。

BBCニュース

40度以上にあたためると、痛みを感じる受容体が熱を感じるものにブロックされるのだそうです。その機序は痛み止めと同じ効果とも言われています。


慢性の腰痛には、暖めるのが一番です!断言!


.
.
.

そしたらね、東急ハンズにこんなもの。
じゃーん。


ちょっと買うのにためらわれるようなあやしい形の
その名もツボ将軍。
湯たんぽになっているのだけれど
お湯をいれて、カバーにいれて、
そのまま腰のベルトとして巻き付ける事も出来て
そして、丸く盛り上がったところがうまくツボを押してくれるのですよ。

ちょっと人に押してもらいたいと思うようなツボですが
遠慮なくツボ将軍を使って
その上にベッドのなかでごろんと寝転がって
気持ちよくお休みになるように使ってみてください。

投稿者 ninotchka : 17:35 | コメント (2) | トラックバック (0)
  2007/03/15 私の仕事

昨日は私の歓迎会。
久しぶりに飲んだら...
よく眠れた上に朝もすっきり目覚めて
なんとなく今日から地に足が着いて来た感じがします
たまっていた(ような)疲れも飛んで、あーたまには飲むのもいいですね。

丸いテーブルを囲み、ぬるくなったビールを飲みながらスタッフと話していて
昨日はちょっぴりまじめに仕事の話。
私の仕事、女性として整形外科医としてやっていくのに、果てしない苦労はあるのですが、いろいろ楽しいことがあります。そのうちのひとつ、整形外科ならではのプラモデルを組み立てるような仕事をちょっとご紹介しましょう。

いま、膝の手術を考えているとしましょう。
患者さんのレントゲンをみながら、中に入れる人工物をどのようにどのサイズのものをいれたら一番いいのか、その人にしっかりと合わせたものを、と手術の前に綿密な計画をたてます。私はこの計画の段階が大好きです - というのも、ほんとにパズルとかプラモデルとか、いや、イケアの家具を組み立てるようなわくわくする気持ちとどこか共通するものがあるのかもしれません。

こうやってレントゲンに合わせてチョキチョキと型を切り取ったりします。

必要な機械や工具類の説明がのったものや、サイズの型とか、こうやってひとつのパックになっています。これはZimmerという会社のもの、会社の人が写真のせてもいいですよ、といってくださったので。

そして最近のデジタルの普及で、アメリカの専門医が手術をしている映像や、手術に必要な手順、技術、コツなどをのせた医師用のDVDなんかがあって、とても役に立ちます。英語の勉強にもなりますね。

こういったひとの手術を見ながらでも、自分が執刀するときには患者さんひとりひとり違う状態に合わせて、なるべく計画を綿密にたてて、最良の結果になるようにと頭のなかで何度も繰り返してイメージトレーニングもします。

今はレントゲンで平面図での計画ですが、近い将来はレントゲンもすべてデジタル化され、3次元での計画がたてられるようになっていくのではないかと思います。骨をどのくらい切って、どのくらいの厚みのインプラントをいれて、ということがもっともっと術前の段階で詳しく決められていける日も近いのではないでしょうか。

投稿者 ninotchka : 15:52 | コメント (0) | トラックバック (0)
  2007/02/27 長い間痛みで悩んでいる、という方に(2)

少なくとも6ヶ月以上にわたって痛みが持続していて、精密検査で痛みを説明できるような変化が明らかでない、またはあったとしてもその変化から予測されるよりも痛みが激しい「慢性痛」。
この「慢性痛」に対する特別な治療方法が模索されています

ブログの管理人さんellyさんがインタビュー記事をのせてらっしゃいますのでそこからの引用です
シドニー、St .Lenordにあるペインマネジメントセンターを訪ねました。

20年前までは「慢性痛」の患者に一番のトリートメントは安静だと思われてきたけれど、今は変わって来ているのだそうです

治療の中心は運動療法と患者教育。
目標は社会復帰。

多くの患者さんが長期に渡っての治療をしてきているせいで、「どうしたらいいのかわからない」という混乱した状態にあることが多く、痛みを完全に取り去る事が目標なのではなくて、どうすれば痛みをよくしてコントロールするかを学んでいくことで、痛くてできなかったことをまたやりはじめることができるようになることがゴール。

具体的にはオーストラリアの疼痛マネージメントセンターでは
10人がチームになってプログラムをこなしていく- 同じような症状のある他のひとと一緒に参加するという相乗効果も大事な治療の一環。ただ60歳以上の老人性の慢性痛もあるが、これはまたこれで別のアプローチということです。

運動療法と教育。

さらにellyさんは続けて書いていらっしゃいます 痛みに対する認知行動療法


「運動しなさいといわれてやったらそのあと余計に痛くなりました」と患者さんに言われるとドクター側も「それなら休みましょう」といわなくてはいけないような心理が働いて、お互いに混乱していくばかりです
不安になった患者さんはどうしたらいいのか分からず、痛みにおびえながらの毎日になってしまう。医療側は、この痛みは一時的なもので急に麻痺したり、それ以上痛みが進行したりはしない、ということをしっかり伝える事がなかなかできていなかったと思います。患者さんは最悪のケースを教える事、最悪のケースでどうなるという説明を受けないから、案外目に見えないものに怯えているのだそうですが、自分が患者だったらほんとうにそうだなあって思います。

この認知行動療法の詳しい内容は こちら


シドニーのこの病院ではこのプログラムは心療精神科医1人、フィジオセラピスト1人、特別にトレーニングされたナース1人。カウンセラー1人の4人を中心に組まれているとのこと。


日本でも腰痛やクビの痛みの「慢性痛」で長い間悩んでいる方が参加できるリハビリ中心のメニューができたらいいのにと思っています。

投稿者 ninotchka : 08:22 | コメント (1) | トラックバック (0)
  2007/02/27 長い間痛みで悩んでいる、という方に

北海道帯広でも日中がだんだん暖かくなってきたせいか
まるでアイスリンクの上を歩いているようで
私はもう3回転びました...家の外で2回、病院の外で一回。
転んでぶつけたところの腰が痛いのですが
痛い、という感覚はほんとうに外からは分かりにくくて
やっかいなものですね

私が外来にでていると初診でもたくさんクビの痛い方や腰の痛い方がいらっしゃるのですが今日は「慢性痛」というものについて最近考えることについて書いておこうと思います

あるブログをご紹介します
このブログを作っておられるellyさんというかた
事故による鞭打ち(診断名は頸椎捻挫)で8年苦しまれたそうです
以下彼女のブログから抜粋します

いつまでもいつまでも首が硬くなって筋肉が緊張してしまうので、酸欠でコリが残って、首や肩や腕に痛みやしびれが残ってしまう。頭痛が起きる。息苦しくて吐き気がする・・。

「...安静にしてなるべく寝ていてください。」「...早くからなるべく動かすほうがいい。むやみに安静にして首を固めてしまうと、どんどん動かなくなっていくよ。」これは、どちらも整形外科医からかつて言われた言葉なのですが、
ちょっと混乱してしまいますね。

....その後頚椎ヘルニアになり、顎関節症を合併して痛みが取れなくなりました。... 神経質で片付けられて適切な治療を受けられませんでした。

このように何年も経過した痛みは「慢性痛」であり
痛みのメカニズムは複雑ですが

ellyさん、オーストラリアで治療を受けられて
「慢性痛」に対する治療する側の認識の違いを指摘されています


この国に来てGP(家庭医)にかかったとき、慢性痛症候群だといわれ、
治療を始めて抗鬱薬の投薬とリハビリで寛快しました。
日本で何年もわからなかったのに、
こちらではただのGPであっさり診断してもらえたのでびっくりしましたが・・

このやっかいな「慢性痛」に対して積極的に取り組んでいらっしゃる整形外科医の加茂先生のブログを読んで私なりに理解しているのは、

少なくとも6ヶ月以上にわたって痛みが持続していて、精密検査で痛みを説明できるような変化が明らかでない、またはあったとしてもその変化から予測されるよりも痛みが激しいものを「慢性痛」として診断し、きちんと「慢性痛」に対する治療が必要だということ

なのです。

できれば慢性痛になってしまう前に初期治療をすることが大事なのですが
この慢性痛に対する取り組みを次回ご紹介しますね

投稿者 ninotchka : 08:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
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